生マグロの水揚げ量が日本有数で三陸沖の新鮮な旬の魚が集まる塩竃は、日本一寿司屋の密集する街です。その中でも、全国から訪れる人が絶えないお店が「すし哲本店」です。有田焼の美しいお皿に並べられたお寿司と新鮮なほやを堪能。近くには、これも全国的に有名な日本酒「浦霞」の酒蔵と東北随一のパワースポット、陸奥国一之宮の「塩竃神社」もあり、食べて、呑んで、散策にもおすすめです。
日本一の寿司の街 塩釜へ
仙台の青葉通り駅から塩釜市の中心部の本塩釜駅まではJR仙石線で約30分です。石巻市出身の石ノ森章太郎さんの漫画でラッピングした車両「マンガンタンライナー」に乗ることが出来ました。
本塩釜の3駅先が「松島海岸駅」で日本三景松島の観光にも便利な路線です。
本塩釜の駅前広場です。寿司屋密集率は日本一ともいわれ、駅を中心に有名なお寿司屋さんが集まっています。郵便ポストの上にもまぐろが泳いでいます。
塩釜は、生マグロの水揚げ量日本有数、さらに三陸沖の新鮮な旬の魚が集まります。
特に秋口から初冬にかけて「まぐろ延縄船」によって塩竈魚市場へ水揚される生鮮メバチマグロは、鮮度、色ツヤ、脂のり、旨味に優れ、塩竈の目利き人の目にかなったものが「三陸塩竈ひがしもの」として全国に発送されています。
塩釜で揚がる近海物を中心とした海産と、宮城米のササニシキのハーモニーが、塩釜のお寿司です。
本塩釜駅から500m圏内のお寿司屋さんを、食べログで調べてみると、①鮨 しらはた(3.67)、②すし哲 本店(3.66)、③亀喜寿司(3.59)です。(2022年7月現在)
1位のしらはたと2位のすし哲は兄弟で、お店もすぐ近く、駐車場も共有しています。付近では震災の復興でビルの建設が進んでおり、両店ともにそこに入る予定のようです。「すし哲」は本にもなり、全国から訪れる人が絶えないお店です。
お店の雰囲気
のれんをくぐると、1階は大きなカウンターですし職人さんが横並びでおられます。3階までで90席ある大きな店舗です。人気店でいつも行列ができる店ではありますが、比較的回転は速い気がします。
訪れたのは月曜日のお昼時でしたが、並ばずにすぐに入店できました。
お食事
メニュー
多くの人が注文するのが、「にぎり」。すし哲物語(4,280円)が一番のおすすめとのことです。その他、壁に本日のおすすめのメニューが書いてあります。
「すし哲物語」、「上にぎり」、そして本日のおすすめからは「かつをの酢の物(小660円)」「ほや酢(880円)」を注文しました。
にぎり(すし哲物語、上にぎり)
「にぎり」は、奇麗な有田焼のお皿で供されるのがこの店の特徴です。見た目にも華やかです。
すし哲物語
「すし哲物語」は、以下の12貫です。
後列:穴子、たまご、やわらか煮蛸、子持ち昆布、
中列:トリ貝、鮑、鮪、鯛、鮪(トロ)
前列:イクラ、海老、雲丹
ちなみに、特上にぎり(3,780円)は、やわらか煮蛸を抜いたものだそうです。
上にぎり
「上にぎり」は、以下が盛り合せてあります
後列:たまご、鉄火巻き
中列:鳥飼、鮪、鯛、鮪(トロ)
前列:イクラ、海老、雲丹
にぎりには、デザートして「苺のシャーベット」が付きます。
かつをの酢の物
「かつをの酢の物」はすっきりした味わいでこのお店の名物とのことです。
確かにさっぱりはしていましたが、インパクトにかけるように感じました。
ほや酢
「ほや」は初めて食べましたが、その美味しさに驚きました。「ほや」を楽しむ3つの要素としては、「新鮮」「旬(5月中旬~8月中旬)」「宮城県産のマボヤ」だそうですが、今回はこの3つが揃っています。日本酒が欲しくなる大人の味です。
浦霞
すし哲から徒歩で2~3分のところに、全国的に有名な日本酒「浦霞」の酒蔵があります。
隣接して「浦霞 酒ギャラリー」があり、酒蔵見学(蔵ガイド)や試飲(きき酒)が楽しめますが、現在はコロナ禍で休止中です。(2022年7月現在)
酒ギャラリーでは、全国的に販売されている有名な銘柄はもちろん、このエリアでしか販売していないものや季節限定のお酒もあります。
利き酒が出来なかったので、限定酒 特別純米原酒 浦霞 蔵夏(くらげ)720mlを買って帰りました。
アルコールが飲めないときは、「浦霞の甘酒」もおすすめです。きりっと冷えた甘酒も美味しいです。
塩竃神社
当神社創建の年代は詳らかではありませんが、平安時代初期、嵯峨天皇の御代に編纂された「弘仁式」に「鹽竈神を祭る料壱万束」と記され、厚い祭祀料を授かっていたことが知られます。つまり、奈良時代国府と鎮守府を兼ねた多賀城が当神社の西南5km余の小高い丘(現在の多賀城市市川)に設けられ、その精神的支えとなって信仰されたと考えられます。
中世以降、東北鎮護・海上守護の陸奥國一宮として重んじられ、奥州藤原氏や中世武家領主より厚い信仰を寄せられてきました。特に江戸時代にはいると伊達家の尊崇殊の外厚く、伊達政宗以降歴代の藩主は全て大神主として奉仕してまいりました。(塩竈神社公式ウェブサイトより)
浦霞から塩竈神社の一の鳥居まではすぐです。ただ、ここからの参道(東参道)が長く、緩やかな坂道になっています。
塩竈神社の参道は3コースありますが、このコースがなだらかでおすすめです。
通常の神社は鳥居ないし門を入った正面に主祭神を祀っておりますが、鹽竈神社は正面に左右宮(鹿島・香取の神)が南向きに、門を入って右手に主祭神たる塩土老翁神を祀る別宮が松島湾を背に西向きに立っております。これは伊達家の守護神たる鹿島・香取の神を仙台城の方角に向けて建て、大神主たる藩主が城から遙拝出来る様に配し、海上守護の塩土老翁神には海難を背負って頂くよう海に背を向けているとも言われております。 (塩竈神社公式ウェブサイトより)
御朱印も頂きました。塩竈神社と隣接する志波彦神社の2つが一体となっています。
志波彦神社にもお参りをしました。志波彦神社の鳥居前からは美しい日本庭園とその先には塩竈湾の光景が望めます。